得度(とくど)
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 【得度】
度を得る、 度は波羅蜜 (はらみつ)の漢訳語で,
仏になる為に菩薩が行う修行の事である。
また得度とは元来, 涅槃 (ねはん)の彼岸に渡ること。
迷いの世界を超えて悟りの世界に渡りうること。
悟って,彼岸へ渡ること。
仏門に入り僧になること。
出家すること。

涅槃(ねはん)
煩悩 (ぼんのう) の火を消して、智慧 (ちえ) の完成した悟りの境地。
※彼岸
仏教でいう俗世界に対する仏の世界。悟りの世界。現世と隔てた川の、
向こう岸の世界。【律令制において】
得度者は官許により,度縁を発行して課役を免除した。
これに対し,無断で僧形になることを私度・自度という。
得度者は略して度者という。

※律令制(りつりょうせい)とは、日本で、中国唐朝の律令を取り入れ
法体系を整備し、それに基づいた国家制度・統治制度を指す。
7世紀後期に始まり10世紀頃まで実施された。
開始後約100年間(8世紀後期まで)は経済・軍事に関しては制度に
ほぼ忠実に従った国家運営が行われた 。

【仏教においては】
僧侶となるための出家の儀式。
本来、僧侶になるには、仏教教団の10名の先輩構成員(三師七証)の
承認があり、戒律を護る事を誓えば誰にでもなれるものであったが、
中国や日本に於いては
労働、納税、兵役を免除されていたため、
僧侶になる者が続出し、国家の財政を脅かす事態となった。
そこで国家は年度や地域毎に僧侶になる人数を制限するために、
得度を国家の許可制とした。

【『四分律(しぶんりつ)』巻32にば】
インドでは、父母の許しがあれば出家できたが、
12歳未満者は得度できない。得度のとき受ける戒律は、
五戒(不殺生(ふせっしょう)、不偸盗(ふちゅうとう)、不邪婬(ふじゃいん)、
不妄語(ふもうご)、不飲酒(ふおんしゅ))を保つことで、20歳になると、
比丘(びく)は二五〇戒、比丘尼は三四八戒を保つ具足戒(ぐそくかい)を受けた。
中国では、得度しただけの者は沙弥(しゃみ)といい、
具足戒を受けて僧となった者とは区別された。
日本では、得度しただけで僧といわれるが、また上座(じょうざ)ともいわれる。
律令(りつりょう)制では、得度して僧尼になるには官許を必要とし、
かってに得度したものを自度、私度と称した。

また、得度を受戒した者が、その戒律を破った場合は、地獄に落ち、死ぬまで戒律を守った者は、天国に行けるといわれた。これは現実的な問題で、得度によって何らかの益を目的にして、戒律を形骸化することを避ける為であります。
現実そういう方の人生は、地獄とは言い切れないが、少なくとも輝いた人生に成るのであろうかとは危惧じます。

【大嶺講講員の得度】
平成25年4月28日、大嶺講が櫻本坊様に行者講社として認可を賜る際に、
櫻本坊様より賜った【辞令申請書】を作成し、謹んで桜本坊様に申請する事と、
定められています。

得度希望者は、【引きの先達】の推薦状を、総務長に提出し、
総務長は直ちに役員会に稟議にかけ、
【役員全員一致】の承認で、大嶺講講員の得度を櫻本坊様に推挙申請する。

上記承認を得て得度した者を、得度者、また略して度者とし、
優婆塞(うばそく)にたいしては、沙弥(しゃみ)と呼ぶ。
上記手続き承認を得ず得度した者は、私度・自度とし、講の得度者と認めない。

また、得度者が得度後、仏に成る為の菩薩行を怠たり、
受けた戒律を破り、修験道の和合・繁栄に反する行為を行った場合は、
講は直ちに【講への出入り禁止】とし、その旨を櫻本坊様に、
報告する。  また、私度・自度も同様の対応とする。                           
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